「あたし……いつから?」
「え?何?」
「……いつからこんなに……好きになっちゃったんだろう」
ポツリと呟くと、ミサトがあたしの頭をポンポンと叩いて笑って言った。
「たぶん、最初っからじゃない?」
「……最初?」
「そう。近すぎて気づかなかっただけで、マイは翔太くんのこと好きだったんだよ。ずーっと前から」
本当にそうかな……。
あたしがおかしくなったのは、翔太を今までのように見れなくなったのは、翔太に抱かれたあの日からだ。
ただの幼なじみだったのに、急に“男”を見せつけられたから。
だから戸惑って、どうすればいいか分からなくて……
翔太に「これからも幼なじみ」って言われて、本当に“幼なじみ”に戻ってしまった翔太を見てるのが……辛いだけ。
「あたしだけ置いてけぼりだよ」
「ん?」
「置いてけぼり。あたしだけだもん。……翔太はもう、とっくに幼なじみに戻ってるのに」
あの日のことはもう、なかったことになってるのかもしれない。
……翔太の中で。

