「美味しい……」


口につけたカクテルがとても美味しくて思わず声をもらすと、


「お褒めに預かり光栄です」


と笑ったマスターが更に付け加えたのは……。


「今は幼なじみくんに恋してるんだって?」


その瞬間、勢いよくカクテルを吹き出した。


そんな余計なことまでミサトは喋ってるのか!!


「動揺しすぎー!笑える!」と隣で笑うミサトの首をこのまま締めたくなった。


そんなことを思いながら、

“恋……って何だろう”

なんて、今更なことをふと考えてしまう。


恋って、その人のことで頭がいっぱいになって。

四六時中一緒にいたくて。

いつだって触れ合っていたくて。


ドキドキ……が止まらなくなる……?


それって……。


「……ホントに……恋かも……」


ポツリと呟くと、マスターとミサトが顔を見合わせて

「「何を今更!!」」

と、キレイにハモった。