「ねぇマイ。気にすることないって、周りの言うことなんて」
「……」
あのまま午後の講義はサボって、ミサトのマンションへ。
「マーイ。翔太くんは分かってくれてるよ、きっと」
本当にそうかな……。
だってさっきだって、庇ってくれなかったよ?
翔太だってもしかしたら……
ダメだ。完全にあたし、マイナス思考だ。
今はどんなことも後ろ向きでしかとらえられない。
……自分の弱さがイヤになる。
「あーッ!」
突然叫んだミサトは、いきなりあたしの右腕を引っ張りあげた。
「え……」
呆然とするあたしに、
「ウジ虫なマイなんて、マイじゃない!ほら!パーッと遊び行くよ!」
なんてハイテンションで部屋を飛び出す。
「そんな気分じゃ」
“ない”と続ける前に、
「イケメンに奢らせて気分転換しよう!」
と押し切られた。

