まだ半分も食べていないパスタのお皿を持って、翔太の真横を駆け抜ける。


「あッ、待ってよマイ!」


慌ててそれを追いかけるミサト。

それに反応したのは翔太じゃなく……


「あ、あれって姫じゃん。ねー聞いた?姫さ、最近別れた男にストーカーされてんだって」


「え、マジ!?うわぁーご愁傷様。けどさ、ある意味自業自得じゃん?」


「まぁねー。いくら男にモテるからって、取っ替えひっかえしすぎ!少しは痛い目遭ったほうがいいんだって」


背中に突き刺さる容赦ない言葉。

走りながら涙が零れた。

やっぱりあたしのこと、皆そんな風にしか見てくれてないんだって。


あたしだって、好きでたくさん恋してるわけじゃない……。


この人だ!って人に巡り会えたら、この先ずっとその人だけを想い続けられる自信だってある。