「……え?」
翔太は翔太なりに、あたしに気を遣ってくれているんだと思う。
昨日のことは、お酒の勢いにただ流されただけ。
しかも煽ったのはあたしだから。
あたしが責任感じないように“気にすんな”って言ってくれているような気がした。
あたしも翔太とのこれまでの関係が壊れるのはイヤだし、これからも一番身近な存在でいてほしいと思う。
だから“気にすんな”という翔太の思いやりは、あたしにとってもありがたいことのはずなのに……。
なんだかモヤモヤする。
「マイ?」
「え?……あッ、ごめん」
「大丈夫か?」
心配そうに見つめる翔太の目を見られなかった。
本当にまったく気にしていないような翔太の態度を、ほんの少し寂しいと思ってしまう。
やっぱり変だ、あたし。
これでいいはずなのに。
「マイも服着ろ。で、もう一眠りしようぜ。今日は休みなんだし、まだ早すぎだ」
言われるままに下着と翔太に借りたTシャツを着て、もう一度ベッドに潜り込んだ。
「マイ、こっち来い」
翔太が左腕をあげて、あたしを翔太の胸へ招き入れようとしてくれている。

