腕を引かれて抱き締められた。 ドクンと高鳴る胸。 啓飛の匂いがあたしの頭を支配する。 「……花火より 俺のことを見て?」 「…えっ……ンッ…」 あたしの声を吸い取るように、唇が重なった。 ……もう… そんな言葉をそんな風に言われたら… 断れないよ……/// 花火も見たかったけど… 啓飛には逆らえない。 優しくて温かくて、心がいっぱいになるキス。 あたしはそのキスを受け入れてしまう。 「…華?」 啓飛の首に腕を回すと、驚いたような声が返ってきた。 .