つい、手の感触が心地よくて 目を瞑る。 「…用事なんてないよっ!! あたし、啓飛と旅行できて嬉しいよ? まさか…行けるなんて思ってなかったから……」 あたしは大学生に成り立てだし、 啓飛は仕事があるだろうし、 せっかく安藤さんからもらったチケットだって お母さんたちにあげることになるだろうと思ってた。 ……でも 啓飛がこうしてあたしの休みの日に合わせて、こんな計画を立ててくれた。 それが とても嬉しい。 .