華のお母さんに挨拶してから、二人で車に乗り込んだ。 もちろん、華は助手席に… 「ぁ、荷物は後ろでいい?」 「あぁ。」 四人乗りの車。 微妙に狭い空間に、ドキドキと心臓が反応している。 微かに香る甘い香水。 そして、小さめに流れるスローなバラード。 なんでバラード…? ステレオに手を伸ばし、変えようとすると… 「この曲いいよね。 あたし、好き。」 俺に向けられたワケではないのに、心拍数は上昇していくばかり。 それくらい、破壊力のある言葉。 .