『……もしもし、華?』 「ぁ、も、もしもし… さっき電話くれたでしょ?」 機械を通すと、妙に優しく聞こえる啓飛の低く甘い声。 直接、脳に響いているみたいで 心臓がドキドキする。 『あぁ、明日の予定を伝えようとしたんだ。 車で行くから早く出よう。 7時くらいでいい?』 「うん!!大丈夫。」 『もう11時になるから、早く寝ないとね。』 他愛ない会話が、とても気持ちいい。 緩やかな波が、ふわっと身体をめぐって消えていくような感覚に陥る。 それから10分ほどお話した。 .