考えていると、
タッタッタッタ
階段を上ってくる音が聞えてくる。
ヤバイッ!
俺は急いで元にあった場所に戻して走ってソファに座った。
「ごめんね。参考書を他の部屋にそのまま置いてたんだ。」
「大丈夫。じゃあ、勉強するか?」
「うん。」
隣に座る優貴。
西崎たちはいないのになんで俺の隣に座るんだ?
まぁ、嬉しいからいいんだけど。
『机の上に置いてある十字架って何?』
そう聞きたいけど聞けない。
なんか、聞いちゃいけない感じがするから。
優貴の方を見ると真剣に参考書を見ていた。
キラッ
太陽の光で優貴の首元が反射した。
「優貴、なにつけてるの?」
「えっ?ネックレスだよ…。」
そう答える優貴は寂しそうにまた参考書に目を戻した。



