「そんな柴犬みたいな目をしたって無理。」
「雅の馬鹿ぁ!ついでに美奈のバー…」
悟が言い終わる前にバゴンッと音がした。
「悟、私の何?」
「な、なんでもございません…。」
頭を抑えて西崎に言う悟。
「西崎って何気に怖いよな。鞄で殴るなんて…。」
「雅くんも鞄にぶつかりたいかな?」
「いいえ。悟がもう一回殴られたいそうですけどね。」
「はっ!?な、何言ってんだよ!!」
俺に向かって怒鳴る悟。
「うるさい馬鹿。」という西崎の言葉と同時に
バゴンッとまた音がする。
あぁーあ。
本当に殴られてるし…。
あれだ!
西崎も椿と同じように逆らえないヤツなんだよ。
きっと、椿と相性合うかもな(笑)
そんなこと思ってると、キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴り響いた。
なんか隣でふるふると震えているのが見えるんですけど…。
「優貴だったら大丈夫だって。」
「でも、何か心配なんだよね。」
優貴の手が結構震えている。
「今まで努力してきたんだろ?きっと大丈夫だって!俺が保証する。」
「えぇー…なんか信用しがたい。」
「酷っ。」
「嘘だよ。ありがとね。」
優貴はそう言って微笑んだ。



