西崎の隣に座っている悟が、
「なぁ雅、残り物には福があんだから学級委員なんてなんないはずだよな?俺、保健委員やりたいんだよ!」
「悟がやりたいのは知ってる。でも、残り物には副はない早い者勝ちかもよ?」
「…聖…。」
「えっ?」
西崎が俺の名字をいきなり呼んできた。
「あっ、なんでもない。確か聖っていう名字だったなぁって思ったの。ごめんね。」
「別に大丈夫。」
「神田くんと雅くん、早く2人くじして!もうみんな待ってるよ~。」
周りを見ると、安堵のため息をついている男子がたくさんいた。
「先生、まさかの…」悟が聞くと、
「まだ出てないよ。」先生が言う。
まさかの俺と悟のどっちかがやるのかよ…。
「雅、俺は絶対に負けないっ!」
「はぁ!?」
くじに勝ち負けあんのかよ。
それに、何で悟はそんなに燃え始めてんだよ。
俺たちは、席を立って黒板の方に向かう。



