「もう、本当に男子は手を挙げないんだから!」
先生は、いつ作っていたのかわからない正方形の箱を教卓の下から出してくる。
「去年と同じくじ!当たりの人が学級委員だから!去年と同じように最後まで委員が決まらないことがないようにってあぁ…。みんな、ごめんね。くじしまーす…。」
意味が分からない。
なんでみんなに謝るの?
「なぁ優貴、なんで先生みんなに謝って…」
隣を見ると涙を目に溜めていた。
「優貴、どうした?腹痛いのか?」
ううんと首を横に振る。
「じゃあ頭痛い?」
「違、う…。心配しないで?」
俺の方を優貴が向いてくると同時に、目に溜まっていた涙が優貴の頬をつたった。
「心配する。俺、優貴が好きだから…」
…俺何こんなとこで言ってんだよっ!!
「いや、と、友だちとして、な??」
「うん…もう、大丈夫だから。ごめん。」
優貴は、頬に流れている涙をハンカチで拭う。
「ごめん。じゃあ廊下側から男子は黒板の方に来てください。」
なんか、優貴が委員に立候補した時よりも空気が重い気がする。



