すると、優貴は一瞬切ない顔をした後、笑ったんだ。
「優貴、聖って?」
美奈が優貴に問いかける。
「昨日、友だちに…なったんだ。」
少し悲しそうな声で優貴はそう答える。
俺と友だちになるのが嫌だったとか?
なんか、そういうオチはショックなんですけど。
だって、優貴だって承諾してくれたのに…。
あっ、でもなんか沈黙の後に承諾したような。
いやいや、優貴はそれでも承諾したんだから!
「優貴と美奈と雅、早く校舎に行こうぜ?」
「そ、そうだね。」
何か焦りながら言う西崎。
俺たちは校舎に向かって再度歩き出す。
桜の花びらが地面にたくさん落ちている。
桜の絨毯化した道を俺たちは歩いていった。
3階に着いて、廊下に出ると廊下にいる生徒が話すのをやめる。
そして、こちらをじっと見る。
さっきまでにぎやかだった廊下が大違いだ。
俺たちが横を通り過ぎるたびに顔を青くしたり、
驚いたり、小声で話していたり、
いろんな人が俺たちのことを話している感じだった。



