キミの隣に僕がいる


車庫に止めてある自転車を出して乗る。

扱ぐと、風が頬に優しくぶつかってくる。

自転車を扱ぐ中、桜の花びらが自転車のカゴの中、頭の上に乗る。

俺って、この桜の花びらの色みたいに淡い恋をしているのだろうか。

いいや、淡くない。

しっかりと色のついた濃い恋なんだ。

本気で優貴が好きなんだ。

こんなにも惹かれるなんて自分でもありえないと思うほどに。

昨日、友だちににはなったけど優貴はくるのだろうか。

チリンチリン

自転車のベルの音が後ろから聞える。

振り返るとそこには自転車に乗った悟がいた。

「悟、はよ。」

「雅、はよ。今日も天気いいな!」

「そうだな。」

「あのさ、今日委員会決めるらしいんだけど…雅は何か入る?」

「あ?俺??俺は別に入る気ねぇよ。」

俺がそう言うと悟は急に黙り込んだ。

「悟、どうかした?」

俺がそう聞くと、

「なんでもない…。そっか。雅も入る気なんだな…。」

…雅''も''?『も』って何?

誰か、そういう感じの人がいるのか?

「あっ、別に何でもないから。俺は保健委員やるつもり。」

「何で?」

「気分悪いやつとか怪我したヤツを保健室に運ぶじゃん?それのおかげで授業サボれるから。」

聞いた俺が馬鹿だった。

普通に、『なんか似合わないかも。』的なこと言ってればよかったんだ。

サボるなんて…。

まぁ、悟はサボるの好きそうだけど…。