「優貴っ!」
坂木さんがそう呼ぶと、優貴は坂木さんの元へと駆け寄っていく。
「咲さん…。ごめんなさい。」
「話は帰りながら聞くからね?ひじ…雅くん、ありがとう。」
「いいです。心配だっただけですから。」
「優貴、お礼言った?」
「聖…ごめんね。ありがとう。」
「大丈夫。じゃあな?」
「うん。また、ね。」
坂木さんと優貴は俺に手を振りながら、
帰っていった。
「なんなんだよ…。」
星が輝いている空とは裏腹に、俺の心は曇っている。
優貴とは、友だちになれた。
それは嬉しかった。
でも、それ以上に何か感じるんだ。
心が曇るようなことを…。
『聖…ごめんね。ありがとう。』
優貴の言葉が頭から離れない。
あの言葉は、俺に向かって放たれた言葉だけど、
何か違う感じがしてしまう。
あぁ、きっと原因はこれだよ。
今日であった人たちも優貴も、
もしかしたら、俺を通して誰かを見ている。
でも、誰を重ねているのかわからない。
それに、確実にそうだと決まったわけでもないんだ。
頭がおかしくなる。
「そうだとは、決まってないんだから…。」
ただの俺の勘違い、そう今は思っておこう。



