キミの隣に僕がいる


『優貴、今から向かうから2人でちゃんといてね?』

「うん。わかった。」

優貴は、そう言って携帯を切る。

パタンと音がして携帯を閉じた優貴。

その閉じる音で我に返る自分。

「なぁ…俺のこと、名前で呼んで?」

「……今は、ごめん。初対面だし…なんか…」

目に涙を溜めたまま断る優貴。

「そっか。いいよ。初対面だもんな?でもさ、俺は名前で呼んでもいい?」

この時は、優貴は人見知りなのかなって思ってた。

ただ''愛しい人の名前をまた呼びたいから''そんな理由で俺を名字で呼んでいるとは思っていなかったんだ。

「うん。名前でいいよ?」

俺に向かって笑ってくれた優貴。

笑うと同時に、さきほどと同様の透明の涙が流れた。

ハッキリと、涙の後ろにある頬の色が映し出されえるほど透明な涙。

初めて俺に笑ってくれた優貴。

素直に、純粋に、ただ嬉しかった。

俺、おかしいほど優貴が好きなんだ。

笑顔だけじゃない。

泣き顔だって、その透明な涙、優貴の行動一つ一つが好きなんだ。

しばらくすると、息を切らしながら坂木さんが来た。

きっと、必死に探したんだろう。

それほど優貴が大切なんだ、そう思った。