キミの隣に僕がいる


『優貴が出て行っちゃったから…追いかけなきゃ。』

坂木さんの言葉が何度も頭の中で繰り返される。

出て行ったって…そもそも、なんでキミが坂木さんと一緒にいるんだ?

「椿っ!ちょっと出かけてくる!!」

「えっ!?ちょっ雅!?」

いつの間にか、玄関でスニーカーを履いて椿に向かって叫んでいた。

そして、椿の言葉も聞かずに家を飛び出す。

どうして、こんなにも俺は感がいいのだろう。

足が勝手に駅の方へと動いている。

走ること約10分。

仕事を終えたサラリーマンやOLで駅前は混んでいた。

俺はいるかもわからないキミを探す。

「…いた。」

1人の少女が風に吹かれて、揺れる髪を抑えている形をしているオブジェの前にしゃがんでいた。

俺はそっと駆け寄る。

「優貴…」

そっとキミの名前を呼ぶと、

目に涙を溜めた顔をあげてくれた。

「聖…?」

「あぁ。俺は聖だ。聖 雅。」

俺が名前を言うと、キミはまた俯いた。

「なんでこんなとこにいんの?」

「…」

キミは黙ったまま。