キミの隣に僕がいる


「これですね…。他に何か買いますか?」

急に敬語になった坂木さん。

それに、なんか戸惑ってる感じでなんか怪しい。

「いえ、この2つだけで。あの、椿の方はプレゼント様にしてください。」

「かしこまりました。」

そう言って坂木さんはレジに走っていった。

俺は、他のアクセサリーをレジに向かいながら眺める。

女用から男用、子ども用とかもあるんだな。

お店には、俺を含めて30人ぐらいがいる。

俺が、レジに着く頃には坂木さんがラッピングを終えて会計の準備をしていた。

「椿のネックレスが3000円で、十字架の方が5500円で合計8500円です。」

俺は、5000円札1枚と1000円札を3枚、500円玉を1枚出した。

「丁度お預かりします。レシートのお返しです。ありがとうございましたぁと言いたいところなんですが。」

紙袋を受け取ろうと手を伸ばしたら、坂木さんがそんなことを言った

「ハイ?」

「あの、よかったらメアド交換してもらえる?」

逆ナンですか?

「あっ、ナンパじゃないよ?私、夫いるし…。」

じゃあ浮気?

「浮気じゃないからね?私は夫一筋なんだから♪って何言ってるんだろう私。」

一人で言って一人で盛り上がる坂木さん。

「雅くん、センスいいから今後も何かアドバイス聞きたいなぁって思ったの。」

「それなら、別にいいですけど…。」

断る理由もないし、携帯を出して赤外線でメアドとケー番を送った。

「21時に電話しても大丈夫?」

「別に大丈夫ですよ?」

「じゃあ、電話するね!」

やっと紙袋を渡される俺。

「ありがとうございましたぁ」と後ろから声が聞える。