「聖、くん…?」
「えっ?」
なんで、俺の名前知ってんの?
俺、初対面だよな?
「ごめんなさいっ!知ってる人にすごい似ていたので…。いるわけがないのに。本当にごめんなさい。」
「大丈夫ですよ。」
大丈夫なんかじゃない。
何がどうなってんのか知りたい。
学校の人も、悟も西崎も、そしてキミも…。
どうして俺の顔を見て驚くんだ?
どうして、初対面のはずなのに俺の名前を呼ぶんだ?
「お花のアクセサリーのコーナーはこちらです。」
気を取り直したかのように、俺を案内する。
案内された場所は、たくさんの花のモチーフになったアクセサリーがあった。
「あの、いきなりで失礼なんですけど、名前を伺ってもいいですか?」
名前?なんでそんなの聞くんだろう…。
でも、断るのも…と思って
「聖です。聖 雅です。」そう答えておいた。
そしたら、今度は悲しい顔をした。
「私は、坂木 咲っていいます。本当にすみません。」
ペコペコとお辞儀をしてから他のお客さんの所に行った坂木さん。



