キミの隣に僕がいる


「やっぱし、いないよな。」

俺ってマジで馬鹿だ。

買わないで追いかければよかったのにな。

でも、買わなかったら椿が怖い。

「また店に入るのも嫌だし、帰るか。」

俺は、自転車のカゴにエコバッグをを入れて、

扱ぎ始める。

星校の前を通り過ぎて家に向かう。

その時、今まで気がつかなかったお店を見つける。

なぜ、今まで気がつかなかったのかはわからない。

『Tiara』という看板が掛かっている結構大きいお店だった。

俺はいつの間にか隣にある駐輪場に自転車を置いてお店の中に入っていった。

「いらっしゃいませー。」

入ると、女の店員がそう言ってきた。

胸元のバッジには『坂木』と書いてある。

そういえば、この人、テレビとかで見た覚えあるかも…。

前に、テレビで紹介されていたような記憶が蘇る。

『ここ、1度でいいから行きたいんだよね。』

椿がそうテレビを見ながら言っていた。

もうすぐ椿の誕生日だし、買ってやろっかな。

俺はそう思い、店員に声をかけた。

「すみません、花の形をしたアクセサリーってどの辺にありますか?」

「それなら…」

振り返った''坂木''という人が目を開いて、

顔を青ざめた。