「ちょっと待ってて!」
そう言うと椿は走ってリビングに向かった。
そして戻ってくる時には右手に手紙を持っていた。
「お父さん宛に書いた手紙だから。郵便局で出してね?」
「わかったよ。じゃあ行って来る。」
俺は玄関を開けて出て行った。
親父は、この町に転勤することになったが、
引越しをしてから3日目、
海外への転勤となった。
『高校だってわざわざ変えたんだし、椿もいるから大丈夫だろう』
そう言って俺たちを置いて海外へと行った。
なんなら引っ越さなくてもよかったんではないのかと思うけど。
母さんは俺が小さい時に死んでしまった。
だから、この家には椿と2人暮らし。
大き目の1軒屋に2人で暮らしている。



