「ただいまー。」
俺の家は、駅の手前から600メートル離れている。
「雅、お帰りなさい。」
姉の椿(ツバキ)が出迎えてくれた。
「高校、どうだった??」
「いいところだよ。」
悟という友だちができて、俺に初めての恋を与えてくれた高校だから。
「いきなりで悪いんだけど…雅、ちょっと買い物行ってきてもらえる?」
「何買ってくればいいんだよ。」
「これ!紙に書いてあるのを全部。」
そう言って椿は俺に1枚の紙を渡してきた。
「わかった。じゃあ行って来るから。」
そう言って外に出ようとしたら止められた。
「道、わかるの?」
「大丈夫。」
春休み中に何度も来て、この町の道を覚えたから。



