「…なんで似てるんだよ。」
また悟は何かを呟く。
「何か言った?」
「何でもねぇよ。てかもうわかった。お前のその目を見てたら何も言えねぇよ。」
2,3秒の沈黙の後、悟はまた口を開いた。
「そこまで優貴を好きなら、俺は止めない。でも、もし何かあったら…」
『もし何かあったら、俺に相談しろよな。俺はもう雅の…友だちだから。』
屋上で言われた悟の言葉を今でも覚えている。
悟の言葉、切なくて、
胸が締め付けられた。
でも、嬉しかった。
悟が、''友だち''と言ってくれたことが。
でも、当の本人はその''友だち''と言う時に、
一瞬戸惑っているのがわかった。
でも、なぜ戸惑っていたのかはわからない。
俺と悟が教室に戻った時、
すでに1時間目の数学が始まっていた。
「すみません。」
そう言って自分の席に座る。



