早くて、何が起きたのか分からなかった。
そして、ふと目を屋上のドアへと向けると、
男子が立っていた。
その男子は俺に近づいてこう言った。
「聖なんだよな?」
「そうだけど…。」
それがどうした?
俺の名前は聖 雅(ヒジリ ミヤビ)だ。
「何で、何でここにいるんだよ。」
「親の転勤でだよ。」
「好きなものは?」
「星だけど。」
夜空に光る星が俺は好き。
そう言うと彼は黙ったんだ。
「ところでさ、キミはなんていうの?」
そう言うと、
「聖じゃねぇよ。」と呟いた。
「はっ?」
「何でもない。俺の名前は神田 悟(カンダ サトル)。よろしくな。」



