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どの道を走ったか覚えていない
まぁいつも帰ってる道には
違いないんだろうけど
安心できる懐かしい風景なんか
どこにもなくて
ただ暗い夜道を
暗い面持ちで走り抜けたんだ
そのせいか
不安だけが大きく膨らんで
自責の念だけが押し寄せて
俺は必死で必死で
もう何が何だか解らなくなってて
………
何故だか無性に泣きたくなった
それをこらえて
走って走って
華奢で細い体格
女みたいな身体つき
睨んでも睨んでも
変わらないのに
それで逆に鈴を思い出して
また胸がザワついて
くだらない思考回路を堂々巡り
馬鹿みたい
………
俺は何度も思考を止めたけど
足だけは止めなかった
呼吸とか乱れまくって
正直吐きそうだった
こんなに運動することなんて
ない筈だったんだけどな
運動大嫌いだったのにな


