妹系男子。




携帯を開く



リン「不在着信……凄い数」

二桁いっちゃってます



アキ「だって麟太郎君出ないんだもん、五回もかけちゃった」


……??



リン「五回だけ??」


彼女との食い違い


アキ「…そうだけど」

リン「普段かけてくるのって……」



……鈴くらいだよ



………



俺は弾かれた様にボタンを押した


携帯画面には
林秋穂の文字が五件



その下に



十件を越える



………



――『鈴』



―――



リン「……嘘」

アキ「麟太郎君??」


俺は鈴の携帯に電話した

悪い予感に支配され
思考回路はショート寸前



呼び出し音が鳴り続ける



アキ「……どうしたの??」

リン「鈴に電話かかんない!」



………



真っ先に浮かんだ考え



“アイドル暴行事件”



―――



俺は電源ボタンを押して携帯を閉じた



そして次の瞬間には
家に向かって走り出していた