妹系男子。




……そりゃ驚きもするよね



ユカ「だって、麟太郎!」

リン「もう帰ろう、ユカ」



俺はどちらの目も見れなかった


うつむいて
道路しか見えない視界の中で

必死に狂いそうな気持ちを抑える



ユカ「麟太郎だって気になるでしょ?!」

リン「ならない。さ、帰るよ」


俺はユカの腕をつかんだ

ユカには俺の手が震えているのがわかってしまっただろう



ユカ「余裕ぶったって駄目だから!」

ユカは俺の手を振り払った


リン「ユカ」


俺は気付いていた



イチと林さんが俺を
しかも申し訳なさそうに見ていたことを



――そんな目で見ないでくれ


無様でみじめで、いたたまれなくなる



ユカ「だって、麟太郎!!あんたの友達が秘密であんたの彼女と…」


………



………



………



リン「関係ないから」



………


ユカ「……は??あんた何て…」