風が冷たい
この冷たさは何の伏線だろうか

嫌なことが起きないと良いな


スム「もうすっかり冬ですね」

リン「そうですね」


落ち着き払っているのは冬のせい
寒さが人を鈍くさせる


行き交う人は皆歩調を早める
冬将軍は待ってくれない



スム「麟太郎君って彼女いたんですね」

リン「何ですかいきなり」

スム「麟太郎君は違うタイプかと」


息が白い
まだ雪が降るには早いけど



スム「彼女いらない派だと思ってました」


リン「俺もそう思ってました」


彼女いらないというか
必要ないって感じだった


無理につくるものでもないだろうし
結婚だってできたらするってくらい

“恋愛”を冷めた目で見ていた



ただ林さんと付き合って間も無く
距離を開けた俺はかなり目で落ち込んだ



ひょっとしたらただ未経験なだけで
憧れが募っていただけかもしれない