ユカは母の葬式に来た
鈴も俺もユカと話すのは久し振り
リン「ユカ、来てくれて有り難う」
ユカ「麟太郎、辛い??」
リン「うん、ちょっと……いや、かなり」
鈴の前で泣けなかった俺は
ユカの前で泣いた
ユカは優しくて
泣き止むまでずっと一緒にいてくれた
そして色々乗り越え
――卒業式
この地を離れ、遠い町に行くことになり
俺達にはとても大きな別れ
その時一番仲の良かった友達に言われた
「嘘吐き」
引っ越すことは言ってあった
“嘘吐き”の理由
それは――
――『俺はユカの恋人』
ユカとの間を取り持たなかったのは
それが原因ではない
そう説明した
「ユカちゃんにそう言われた」
口を揃えて皆が言う
友達のほとんどが
俺との距離をおいた
俺は告白できないでいたのに
……友達がいなくなってしまうのが
どうしても嫌で


