俺は鈴と母と三人で暮らしていたから
女っぽい物ばかりに囲まれていた
女子っぽい雰囲気があったかもしれない
ある日、
男友達が俺を馬鹿にする様になった
勿論友達だし、冗談まじりだったけど
内容は『本当は女』
そんなの身体を見ればわかるし
誰も信じてはいなかったけど
でもデリケートな年頃だったから
鈴にも噂があった
『本当は男』
ここまで来ると訳が解らない
女子の世界は大変らしく
鈴は深刻に悩んでいた
根も葉もない噂だけど
それでも小学六年生には楽しい話題
俺達は双子だったから
意外と入れ換わってるかも、なんて
今なら笑って言えるけどね
………
だけど噂の原因は
自分達にあったかもしれない
鈴は俺よりもスポーツができた
俺は鈴よりも勉強ができた
でもそれだけでは図れない
核心的なのは
鈴は俺より男っぽくて
俺は鈴より可愛いものが好きだった


