リン「……一応」
元気とはかけ離れている
イチ「お前……好きな人いる??」
リン「……こんな時に、元気だな」
イチ「…こんな時だからだよ」
空気を変えようとしたんだと思う
やけに重い
リン「いないんじゃん」
イチ「本当かよ」
冗談混じりの声が
疑いを抱いているのは明らかだった
リン「……多分」
イチ「お前、苦手そうだもんな」
実際、苦手だ
リン「どっからが“好き”に入んの??」
ただでさえ女子と面識の少ない俺
問題はそこから
イチ「他の子と違うって思ったらじゃん」
リン「何それ、曖昧」
イチ「始まりは曖昧だよ。今から好きになろう、ってはならないし」
恋バナって
女子の話だと思ってた
イチと語ることになるとは
リン「イチは好きな人いる??」


