売店までの道のりは割りと空いていた
昼休み始まってしばらく経ったし
皆もう売店に用はないんだと思う
売店にはパンがいくつか置いてあった
もう大分減ってて
バラエティーも少ないけど
弁当忘れといて文句は言えない
お腹は空いているんだけど
そんなに食べる気分でもない
迷うのは
カレーパンとあんパン…
リン「…あんパン」
カレーパンはちょっと重い
「あ、すいません!」
リン「こちらこそ!」
手を伸ばすと
同時に他方向から手が伸びてきた
重なった手はやけに冷たい
「……あれ、鈴木君??」
妥協してカレーパンにするか迷っていたら、名前を呼ばれた
リン「……あぁ、林さん」
顔を上げたら林さんがいた
アキ「あれ、今一瞬忘れてた??」
リン「違うよー、考えごとしてたから」
カレーパンにするかどうか…
アキ「おばちゃん、あんパン下さい」


