教室の扉を開けた



「おはよー、麟太郎!」
「麟太郎君、おはよう」


今日は皆が『麟太郎』って呼ぶ
女子は面白半分だったのかキャーキャー言い合ってる



イチ「皆鈴ちゃんのこと意識してんだよ」

リン「…鈴のこと??」


「おぉーっ!」



鈴を呼び捨てしたから歓声が起きる


鈴のことを『鈴木さん』なんて呼ぶ人は確かにいない

でも、俺関係なくない??



リン「鈴木で良いのに」

ヨシ「良いじゃん、皆仲良くしたいんだろ」



「俺は鈴木って呼ぶよー」

一人が立ち上がって言うと笑いが起きる


リン「おー、有り難う」



本当に有り難い

正直なところ、『麟太郎』って毎日言われるのは恥ずかしかった



それに鈴を意識されても、って感じ


前よりも成長した俺だから
『鈴の弟』って印象に変わっても
もう何とも思わないんだけどね



イチ「麟太郎も有名人じゃんなー」

リン「やめてよー」



有名人なんて恐れ多い