前を向けるんだ



レナ「…どうして??」

心なしか
悲しい表情を見せた気がした



リン「もう罪悪感無いし、嘘もいらないし」

それは嘘
罪悪感は皆無ではない



リン「なんかめっちゃスッキリした」



これが本当



レナ「そっか!」

高木はこれ以上根掘り葉掘り
聞くことはなかった


ただ満足感と達成感に似た
笑顔で顔をいっぱいにして

そう答えただけ



――



この時からかな


高木への“苦手”っていう
印象や気持ちはなくなっていた


むしろ好意とおぼしき感情が
芽生え始めていた



話しやすいって
思い始めていたんだ



ざわつきが収まる


レナ「終わっちゃうね」
リン「早かったな…」



閉会式の閉会に
教頭が再び壇上に上がる

もうこれで終わるんだ