中さんは濡らした雑巾で机や棚を拭いていた
リン「いつも拭いてくれてたんですか」
ナカ「いえ、初めてです」
メイド喫茶だから綺麗にしているのかな
リン「楽しそうですね」
ナカ「どういう意味です??」
リン「だって中さん笑ってるから」
中さんは笑う、というよりは微笑んでいた
俺が見ている限り、さっきからずっと
ナカ「笑ってません」
リン「行事とか大好きなんだ??」
ナカ「好きじゃありませんから」
リン「とか言ってー、楽しんでるし」
ナカ「掃除が楽しいんです」
なかなかわかりやすい人
ナカ「良いから、花瓶の水を代えて来て下さい」
中さんがへそを曲げてしまったので、花瓶を持って速やかに教室を出た
水道の所に行く
花を出して花瓶から水を出し、中を洗う
ふと左を見ると林さんが遠くに見えた
笑顔で手を振っている
迷わず手を振り返した


