「なに。」 やっぱり怒っているのであろう慎治は、いつもより声が低い気がした。 「あの、」 怖い。 慎治が怒っているから怖いんじゃない。 慎治に嫌われるのが、怖い。 「…じゃぁな」 わたしが黙っているからか、再びドアノブに手をかけた。