「まぁ…別にだからどうってことは……ないけど…」 俺の声は対照的に小さくなっていく。 まるでライオンの威圧感に圧倒されたウサギが草むらへと隠れたかのように。 「あたしがいて、潤がいる。それだけじゃない。そこに第三者は必要?」 キツい口調で間髪いれずに莉香は言い放った。 「そっか。それだけでいいのか」 俺がそんなふうに頷くとまた物静かで穏やかな時間が戻ってきた。