朝、目が覚めるとぼやけた視界にうつる見知らぬ部屋に驚いた。 「おはよー」 目を大きくしてあたりを見回す俺は、莉香の声で脳が起きた。 そうだ、昨日の夜に莉香の部屋にとまったんだったっけ。 その莉香はというと花に水をあげている。 花びらは枯れて茶色になり、頭を重たそうに下に向けて、萎びている…そんな花。 そんなことに何の意味があるのか、ということを俺はあえて言わなかった。 意味なんてない。 彼女のなか以外には。