正体不明の少女を謎にしたまま小首を傾げて、家のドアをあける。 静まり返った真っ暗な家の中。 親父の靴の隣に、女の靴が規則正しく並んでいるのに気付いた。 しばらく睨みつけたあと、俺はそれらを蹴りとばした。 靴箱にガシャンとぶつかった二足の靴は皮肉にも重なりあって俺の脱力感を増長させる。 乱雑に靴を脱ぎ捨てて、ドスドス足音をたてながら二階に昇り、自分の部屋で服も着替えずベットに横になった。