すいすい進んでいく莉香のあとに続いて、錆だらけの軋む階段を上る。 薄暗いアパートは少し気味が悪い。 莉香は205号室の前に立ち止まって、ドアをあけて中にはいっていく。 俺も躊躇いながら中に入った。 「…お邪魔します……」 リビングにはいると俺は言葉を失った。 散乱するゴミ。 空き缶、空き瓶、コンビニ弁当の空、紙屑…… それはもう足の踏み場のないくらい酷い状況で顔をしかめるよりほかはなかった。