「……じゃあ、そろそろ帰るから」 俺はそう言って伝票を手に取り席をたった。 その瞬間、莉香が口を開いた。 「……今から、帰るの?それは邪魔しちゃうんじゃない?」 その後に続いた言葉は“別にどうでもいいけど” 俺は立ち上がったまましばらく考えた。 それもそうだ。 今は真夜中。時間も時間だし…… 居合わせたことがないわけではないが、居合わせて気分のいいものではない。 できるなら避けたい。 しかも相手が莉香の母親なのだと思うと余計にその気持ちは募る。 俺はため息をついて席に座りなおした。