その言葉にまたぽかーん、とする俺。 「ママの好きな人。その子供のこと」 「……それで、どうだった?」 恐る恐る聞いてみる。 莉香は何でも会話のようにスパゲッティーをフォークに巻きながら話し出した。 「カッコいいし、良い大学にもいってる。……けどあたしは誰だろうが構われたくない。もし貴方があたしの兄になっても干渉したりしないで」 数秒の無言状態のあと俺も口を開いた。 「奇遇だな。俺も同じだよ。誰かに干渉するつもりはない」 俺と莉香の視線がまっすぐお互いを突き刺すように放たれた。