そんな重苦しい何かを心に張り巡らせたまま自宅についた。 そこそこ大きい一軒家。 ふと足がとまる。 家の門前で誰かが部屋の窓を睨みながら立っている。 よく目を凝らして見ると、どうやら立っているのは少女らしい。 だけど近所ではまったくみない顔だし、こんな朝方に人の家の前にいるなんてどう考えてもおかしい。 少し距離を保ったまま声をかけてみた。 「…俺の家になんか用?」 無愛想な俺の声に、少女はたじろぎもせず冷静にこちらに振り向いた。 その瞳は冷徹で、濁りなく俺の心臓に突き刺さった。