ふと公園の時計をみると11時をすぎたところだ。

大学は今から行っても完璧遅刻だし、なんだか教授の口ごもった声を聴く気分でもないのでこのままサボることにしよう。


「……君、学校は?」

「いってない」

莉香はうつむいて、黒猫の埋まった土を撫でながら低く落とすように言った。



「……なんか美味いもんでも食いにいくか?」

その誘いに少女は微かだけど頷いた。