俺の家の前で、どちらが先なのかはわからないがフッと立ち止まった。 そういえば莉香と初めて逢った日も、こんな感じだった。 こんな風に莉香が俺の家を見上げていたんだ。 今思えば、それは真由子さん……母親の姿を遠くから見ていたのだろう。 「入るよ」 俺の言葉に莉香は堅い表情で小さく頷いた。