─Quality of love─



少女は、ほんとうにただ立っているだけ。

別に大学の中に入ってくるわけでもなく、門の前で暇そうに突っ立っている。

疲れたのか、たまにしゃがみこんで通り過ぎていく人や車を眺めているようにみえた。


いくら観察しても
行動の意図がまったくわからない。



彼女は何をしにここに来たのだろうか?

俺の家の前で何をしていたのだろうか?

俺の知り合い?
いや、違う。
女に手を出していることは認めるが、中学生にまで手を出した覚えはない。

考えれば、考えるほど迷宮入りしていく。


授業中はずっと観察していたのだが、何か目立ったことをするわけではなく
休憩時間にふと目を離した隙にその姿は跡形もなく消えていた。