「莉香!どうしたんだよ!」 「あ゛ー!!!」 莉香は叫び声をあげて必死に抵抗する。 俺はこのとき、この部屋が以前から荒れていた理由をやっと理解した。 掃除をしていないとかそんな問題じゃなくて、莉香の今日みたいな行動が初めてじゃないから。 だから始めてきた日からあんなにも部屋が荒れていたんだ。 莉香の行き場のない想いが散乱していたんだ。 「あ゛ー!!!!!」 抵抗する莉香の持っていたハサミが俺の頬をかすって一瞬の痛みが走った。 「……ッ」 生暖かい血が静かに頬をつたう。