リビングからものすごい物音がして、扉を静かに開けると奥に莉香がぼぅっとたっていた。 髪を振り乱して手に持つバケツにはいったペンキを壁中にぶちまけている。 そしてありとあらゆるものを壁に投げつけたり カーテンを引きちぎったり 皿を叩き割ったり ガシャーンと何かの壊れる音が部屋中を絶えることなく響く。 「莉香!?」 俺はハサミを投げようとした莉香の手を力一杯掴んで止めた。 莉香は抵抗して唸りながらもがく。