倒れこむ真由子さんの前にしゃがんで目線をしっかりあわす。 「それでも莉香は……あなたを待ってる」 真由子さんの瞳の奥に灯火が宿り、やがてそれは涙で滲んでみえなくなった。 俺は泣きじゃくる真由子さんの傍を静かに離れて、家をでた。 行き先は、たったひとつ──……。